こんにちは。

 

フィギュアスケートの男子ショートプログラムが始まりましたね!

 

今日この日を迎えるまで色々な噂が飛び交っていましたが、蓋を開けてみれば羽生結弦選手の圧倒的な復活劇場でした。

 

エフィカシー(自己の能力に対する肯定感)とパフォーマンスは比例していますが、まさにそれをまざまざと体現した滑りであり、誰よりも突き抜けて高い事を知らしめる滑りでしたね。

 

明日のフリーがとても楽しみでなりません。

 

ところで、私は滑走順の組み合わせ抽選の日から羽生選手の次に滑走するネイサン・チェン選手(米国)に注目していました。

 

羽生選手の滑った後に大喝采になるであろう余韻の中で、どういう滑りが出来るか気になったからです。

フィギュアスケートは、各組の第1滑走路以外は名前をコールされてら30秒以内に演技開始位置に着かなければいけません。

 

即ち、30秒以内に心を整え、自分の演技する曲目の臨場感世界に入らなければならないのです。

 

羽生選手の演技後、観客の皆さんはネイサン・チェン選手の曲が始まる時には音を出さないようにマナーを守っていましたが、実際のところは羽生選手の圧巻の演技に酔いしれて開始直前までざわついていました。

 

さぞ、心を整えにくかった事でしょうね。

 

実際に、優勝候補の一角と言われるネイサン・チェン選手は、すべてのジャンプでミスをして自己ベストよりも20点も低い82.27点で17位となってしまいました。

 

試合後のコメントでも「何が起こったか分からない。ちょっと時間が必要だ。正直ひどかった」とショックを隠しきれないようでした。

 

私は丁度この演技をテレビで観ていましたが、完全にネイサン・チェン選手は会場の空気にのまれてしまっていましたね。

 

のまれてしまっていたとはコーチングの観点から見てどういうことかというと、羽生選手の支配する(作り上げた)臨場感空間の方に引っ張られたということです。

 

本来なら、自分の出番では自分自身が臨場感空間の支配者になり、観客をそこへと誘わなければいけないのに、(ファンがずっと煽がれてしまい)羽生選手の支配する臨場感空間が長く続きすぎてしまったが故に、いやがおうにも羽生選手の臨場感空間で演技をしなければいけなかったということです。

 

もうちょっとわかりやすく言うならば、会場をホームとして戦うことを許されなかったと言うことですね。

 

ですからネイサン・チェン選手と言えども信じられないくらいにミスを連発してしまったわけです。

 

人間にとってアウェーは、コンフォートゾーンの外側ですから、なかなか思い通りのパフォーマンスを発揮する事が出来ません。

 

いかに相手の土俵で戦わず、自分の得意とする土俵に持ち込めるかが最高のパフォーマンスを発揮する大きな鍵となるのです。

 

ちなみに、ネイサン・チェン選手は自分の名前がコールされた時点で観客に対してジェスチャーでもなんでもいいので「静かにしてくださいね」と要求しても良かったですね。

 

紳士的に振る舞いながら「ここからは僕が主役だよ」「僕の臨場感空間に誘ってあげるね」と伝えるだけで観客は(よっぽど意地悪ではない限り)静かにしてくれますし、羽生選手の臨場感空間を薄め、支配権を自分のもとへと手繰り寄せる事が出来たでしょう。

 

人気選手の後の演技の場合は、実はこの様な対応策も必要なのです。

 

平昌オリンピックは強風や寒い気温がとても問題視されていますが、相手の選手の支配する臨場感空間の中で戦う事はそれらと同じくらいパフォーマンスに大きく関わってくる事です。

 

皆さんも是非とも相手の支配する臨場感空間で戦わないこと、そこから、どう自分の臨場感空間へ相手を引き込むかという事は常々対策を練るようにしておいて下さいね。